令和2年度 管理業務主任者試験 問29

集会に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつかあるか。

  • ア 集会は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して各区分所有者に通知を発しなければならず、議案の要領をも通知しなければならない場合もある。
  • イ 集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続きを経ないで開催することができる。
  • ウ 集会で決議すべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面による決議をすることができ、その承諾を得た事項についての書面による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
  • エ 集会で決議すべきものとされた事項について、区分所有者全員の書面による合意があったときは、書面による決議があったものとみなす。
解答・解説

正解: 4. 四つ

正解は 4(四つ)です。

建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)における集会の招集手続および決議に関する規定についての問題です。記述ア〜エはいずれも正しい内容であるため、正しいものは「四つ」となります。

各記述の解説

  • ア:正しい
    集会の招集通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して各区分所有者に発しなければなりません(区分所有法第35条第1項)。また、共用部分の重大な変更(第17条第1項)、規約の設定・変更・廃止(第31条第1項)、大規模滅失の場合の復旧(第61条第5項)、建替え決議(第62条第1項)など特定の事項を決議する場合には、会議の目的たる事項だけでなく議案の要領をも通知しなければなりません(同条第5項)。

  • イ:正しい
    集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続きを経ないで開催することができます(区分所有法第36条)。

  • ウ:正しい
    区分所有法または規約により集会で決議すべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面(または電磁的方法)による決議をすることができます(区分所有法第45条第1項)。そして、書面による決議は、集会の決議と同一の効力を有します(同条第3項)。

  • エ:正しい
    区分所有法または規約により集会で決議すべきものとされた事項について、区分所有者全員の書面(または電磁的記録)による合意があったときは、書面による決議があったものとみなされます(区分所有法第45条第2項)。

各選択肢の解説

  • 1(一つ):正しい記述はア、イ、ウ、エの四つあるため、誤りです。
  • 2(二つ):正しい記述はア、イ、ウ、エの四つあるため、誤りです。
  • 3(三つ):正しい記述はア、イ、ウ、エの四つあるため、誤りです。
  • 4(四つ):ア、イ、ウ、エのすべてが正しいため、正解です。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

2026年4月1日施行の区分所有法改正により、集会の招集通知には、決議事項にかかわらず常に議案の要領を示すことになりました(第35条第1項。出題当時の同条第5項は削られています)。議案の要領を「通知しなければならない場合もある」とする記述アは、特定の決議事項に限って議案の要領を求めていた出題当時の仕組みを前提としており、現行法の仕組みとは合いません。また、招集通知の相手方や、招集手続の省略・書面又は電磁的方法による決議の承諾に必要な「区分所有者全員」からは、議決権を有しない区分所有者が除かれました(第35条第1項、第36条、第45条第1項)。記述アの評価について解釈が分かれるため、現行法では正解が一つに定まりません。