令和2年度 管理業務主任者試験 問50

マンション管理業者が行うマンション管理適正化法第72条の規定に基づく重要事項の説明等及び同法第73条の規定に基づく契約の成立時の書面の交付に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説

正解: 1. マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合の管理者等に対し、遅滞なく、管理業務主任者をして、契約の成立時の書面を交付して説明をさせなければならない。

正解は 1 です。

本問は、マンション管理適正化法に基づく重要事項の説明等(第72条)および契約の成立時の書面の交付(第73条)に関する規定の理解を問うものです。

各選択肢の解説

  • 1: 誤り(正解)
    マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合の管理者等に対し、遅滞なく、一定の事項を記載した書面(契約成立時の書面)を交付しなければなりません(マンション管理適正化法第73条第1項)。しかし、この書面の交付にあたっては、管理業務主任者をして交付・説明をさせることまでは義務付けられていません(記名押印は必要ですが、交付自体は管理業務主任者以外の者でも可能ですし、説明義務もありません)。したがって、「管理業務主任者をして、契約の成立時の書面を交付して説明をさせなければならない」とする本肢は誤りです。

  • 2: 正しい
    マンション管理業者は、契約の成立時に交付すべき書面を作成するときは、管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させなければなりません(出題当時の同法第73条第2項)。

  • 3: 正しい
    マンション管理業者は、管理受託契約を新たに締結しようとするとき(建設工事完了の日から1年を経過する日までの間に契約期間が満了するものを除く)は、あらかじめ説明会を開催し、区分所有者等および管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項について説明をさせなければなりません(同法第72条第1項、同法施行規則第82条)。

  • 4: 正しい
    重要事項の説明会を開催するときは、できる限り説明会に参加する者の参集の便を考慮して開催の日時及び場所を定め、管理事務の委託を受けた管理組合ごとに開催するものとされています(同法施行規則第83条第1項)。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

2021年9月1日施行の改正により、契約の成立時の書面(第73条第2項)や重要事項の説明の書面(第72条第5項)には管理業務主任者の押印が不要となり、記名のみで足りるようになりました。このため現行法では、「記名押印させなければならない」とする選択肢2も誤りとなります。また、2021年3月1日施行の改正により、重要事項の説明会を要しない契約の期間は、建設工事の完了の日からではなく、住戸の引渡しの日のうち最も早い日から1年などとされ(第72条第1項、施行規則第82条)、選択肢3の記述も現行の規定と合いません。現行法では正解が一つに定まりません。