過失(かしつ)

不注意のこと。法律上要求される注意義務を怠った状態を指し、程度に応じて軽過失と重過失に分けられる。

詳細解説

条文が単に「過失」というときは、軽過失(通常の不注意)と重過失(著しい不注意)の両方を含みます。区別が必要な場面では条文が明示的に書き分けており、たとえば錯誤の取消しは表意者に重過失があると原則としてできませんが(民法95条3項)、軽過失にとどまるなら取消しができます。

一方、第三者保護の要件として使われる無過失は「軽過失すらないこと」を意味します。詐欺・錯誤の取消しを対抗できない第三者は「善意でかつ過失がない者」とされており(民法96条3項・95条4項)、ここでいう「過失」には軽過失も含まれるため、少しでも落ち度がある第三者は保護されません。「善意無過失」と「善意(無重過失)」の要求の違いは選択肢の作り分けにそのまま使われます。

過失が問われた過去問

  • 2025年度(R7) 問3意思表示に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。 ア 表意者が真意でないことを知ってした意思表示は無効であ
  • 2020(R2)10月 問6AとBとの間で令和2年7月1日に締結された売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、売買契約締結後、AがBに対し、錯誤による取消し
  • 2008年度(H20) 問11Aが故意又は過失によりBの権利を侵害し、これによってBに損害が生じた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれ
  • 2000年度(H12) 問8Aが, その過失によってB所有の建物を取り壊し, Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関する次の記述のうち, 民法の規定及び

過失が登場する過去問

  • 1996年度(H8) 問6AがBとの請負契約によりBに建物を建築させてその所有者となり, その後Cに売却した。Cはこの建物をDに賃貸し, Dが建物を占有していたところ
  • 2013年度(H25) 問9Aに雇用されているBが、勤務中にA所有の乗用車を運転し、営業活動のため顧客Cを同乗させている途中で、Dが運転していたD所有の乗用車と正面衝突
  • 2005年度(H17) 問11Aは、所有する家屋を囲う塀の設置工事を業者Bに請け負わせたが、Bの工事によりこの塀は瑕疵がある状態となった。Aがその後この塀を含む家屋全部を
  • 2014年度(H26) 問2代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはいくつか。 ア 代理権を有しない者がした契約を本人が追認する場合、そ
  • 1991年度(H3) 問39次に掲げる会社のうち, 宅地建物取引業の免許を受けることができるものは, いくつあるか。 ア A社 -- その政令で定める使用人Bが, 2年

ほか 45 問。

関連する分野

意思表示・錯誤 不法行為

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