相殺(そうさい)

お互いに同種の債権(お金を支払う権利など)を持っている場合に、双方の合意や一方からの意思表示によって、対当額(同じ金額)の範囲で互いの債権と債務を帳消しにすること。

詳細解説

相殺をするためには、双方の債権が同種のものであり、かつ相殺をする側の債権(自働債権)の弁済期が到来していることなどが必要です。また、一定の損害賠償債務を「受働債権(相殺される側)」として相殺することは、被害者保護の観点から禁止されています。ここは2020年の民法改正で範囲が狭まった点が要注意で、旧法が不法行為による損害賠償債権を一律に禁止していたのに対し、現行法が禁止するのは「悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務」と「人の生命または身体の侵害による損害賠償の債務」の2つに限られます(民法509条1号・2号)。したがって、過失による物損の損害賠償債務であれば受働債権として相殺できます。なお、被害者の側から自分の損害賠償債権を自働債権として相殺することは、いずれの場合も可能です。

相殺が問われた過去問

  • 2023年度(R5) 問4AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している場合において、民法の規定及び判例によれば、次のア
  • 2018年度(H30) 問 9Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。この場合
  • 2011年度(H23) 問6Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し賃料債権を有している。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
  • 2004年度(H16) 問8Aは, B所有の建物を賃借し, 毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。またAは敷金300万円をBに預託し, 敷金は賃貸借終了
  • 1995年度(H7) 問8AがBに対して100万円の金銭債権, BがAに対して100万円の同種の債権を有する場合の相殺(AB間に特約はないものとする。)に関する次の記

相殺が登場する過去問

  • 2011年度(H23) 問 9次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、明らかに誤っているものはどれか。 (判決文) 売買の目的物である新築建物に重
  • 2005年度(H17) 問4Aが有する権利の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
  • 1997年度(H9) 問5Aが, AのBに対する金銭債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 誤っているものはどれか。
  • 2024年度(R6) 問5履行遅滞に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
  • 2021(R3)10月 問2債務者A、B、Cの3名が、令和3年7月1日に、内部的な負担部分の割合は等しいものとして合意した上で、債権者Dに対して300万円の連帯債務を負

ほか 24 問。

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債権総論

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