IPA 業務プロセス改善・ソリューション — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

仕事の手順そのものを見直す手法と、見直した手順を情報システムで支えるための仕組みや取組を扱う分野です。支える仕組みには、一つの部署の事務を助ける小さなものから、取引先など社外の相手とつながる大きなものまで幅があります。

2. 実際の出題のされ方

定型作業の自動化や業務の流れの見える化について、用語の意味と当てはまる場面を問う出題が繰り返されています。RPAは、適切な記述、適用できる業務、活用方法をそれぞれ選ぶ形でITパスポートに出ています。プロセスマイニングやERPシステムについて適切な記述を選ぶ問題と、システムの接続仕様を外部に公開する銀行の取組を表す用語を選ぶ問題も、同じ区分にあります。また、流れ図による業務プロセスの可視化で用いる記述様式を選ぶ問題、ISO/IEC 19510として標準化されているモデリング手法及び表記法を選ぶ問題、上流工程で業務プロセスのモデリングを行う目的を選ぶ問題、EUCを推進するときにデータ抽出や加工などの運用を行う組織を選ぶ問題も出題されています。

業務システムの構築でオープンAPIを活用する手法の説明を選ぶ問題と、物流コストを削減する改善活動の流れと目標の設定例を示した図から空欄に当たる活動を選ぶ問題は、応用情報技術者の午前で取り上げられました。

ITストラテジストの午前IIでは、業務改善のフレームワークや特定分野のソリューションが問われています。ECRSに関する適切な記述を選ぶ問題、理想的なシステムを想定した上で現状との比較から問題点を洗い出して改善案を策定する手法を選ぶ問題、BIM/CIMの説明を選ぶ問題が出ています。

3. 学習のポイント

業務の流れを図にする目的は、作り始める前に関係者が同じ図を見て、思い違いや抜けを見つけられるようにすることにあります。ワークデザイン法は、今の手順から出発せず、目的を果たす理想の仕組みを先に描いてから、現実の制約に合わせて具体的な案に落とし込む進め方です。

業務を支える仕組みの違いは、誰が操作し、どこまでの作業を受け持つかに表れます。

  • RPA: パソコンの画面で決まった手順を繰り返す事務を、人の代わりにソフトウェアが動かす仕組みです。手順をあらかじめ決めて動かすので、その場で判断して進め方を変える仕事には向きません。
  • EUC: システムを実際に使う部門の人たちが、自分でデータを取り出したり集計したりする形です。
  • オープンAPI: 外のシステムから機能を呼び出せる入口を、決まった形で公開しておく仕組みです。使う側は、その機能を自分で作らずに自社のシステムに組み込めます。

4. 間違えやすいところ

流れ図を用いて業務プロセスの課題を抽出・見直しする記述様式を問う問題で、「E-R図」とする誤答肢がありました。E-R図は実体(エンティティ)と実体間の関連によってデータベースのデータ構造を表す図であり、業務の作業順序や情報の流れを表すワークフローの記述様式ではありません。

プロセスマイニングの記述を選ぶ問題では、問合せの記録やSNSの書き込みのような文章から情報を取り出して分析する手法とする誤答肢がありました。文章を材料に分析するのは、テキストマイニングの側です。

ERPシステムの説明を選ぶ問題では、取引先の企業どうしで調達から販売までの情報を分け合い、全体を最適にするシステムとする誤答肢がありました。企業の間をつないで供給の流れ全体を最適にするのは、サプライチェーンマネジメント(SCM)の考え方です。

BIM/CIMの説明を選ぶ問題では、非常時に中核の事業を続けたり早く立て直したりするための計画とする誤答肢がありました。非常時の備えを決めておくのは、BCP(事業継続計画)です。

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