平成29年度 管理業務主任者試験 問10
管理委託契約・管理実務滞納管理費の回収
管理組合Aが、区分所有者Bに対してマンションの滞納管理費を請求するために、民事訴訟法に定められている「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説
正解: 4. A又はBが、少額訴訟の終局判決に対する不服申立てをするには、地方裁判所に控訴をしなければならない。
正解は 4 です。
本問は、民事訴訟法における少額訴訟(訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、簡易裁判所において特別の手続により審理・裁判を行う制度)に関する理解を問う問題です。
少額訴訟の終局判決に対しては、地方裁判所への控訴をすることができません(民事訴訟法第377条)。その代わり、判決をした簡易裁判所に対して異議の申立てをすることができます(同法第378条第1項)。したがって、選択肢4が誤りであり正解となります。
各選択肢の解説
1:正しい
少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、第1回の口頭弁論の期日において審理を完了しなければならないとされています(一期日審理の原則、民事訴訟法第370条第1項)。そのため、当事者(管理組合Aと区分所有者B)は、口頭弁論が続行された場合を除き、第1回口頭弁論期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法(主張と証拠)を提出しなければなりません(同法第370条第2項)。2:正しい
被告(区分所有者B)は、少額訴訟を通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができます(民事訴訟法第373条第1項)。ただし、この申述は、被告が第1回口頭弁論期日において弁論をし、又はその期日が終了した後はすることができません。3:正しい
特定の債権者が少額訴訟制度を独占的に利用することを防ぐため、同一の原告(管理組合A)が、同一の年に同一の簡易裁判所において少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数は、民事訴訟規則で定める回数(10回)までに制限されています(民事訴訟法第368条第1項、民事訴訟規則第223条)。4:誤り
少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができません(民事訴訟法第377条)。不服がある当事者は、判決書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、判決をした簡易裁判所に異議を申し立てることができます(同法第378条第1項)。適法な異議の申立てがあったときは、通常の手続により審理・裁判が行われることになります。