平成30年度 管理業務主任者試験問題 問36
1棟の区分所有建物の復旧に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
解答・解説
正解: 4. 買取指定者が、買取請求に基づく売買の代金に係る債務の弁済をしないときは、当該債務について、決議賛成者は、当該買取請求を行う者に対して、決議非賛成者を除いて算定した区分所有法第14条に定める割合に応じて弁済の責めに任じられる。
正解は 4 です。
本問は、区分所有法第61条(建物の一部が滅失した場合の復旧等)に関する理解を問う問題です。特に、大規模滅失(建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合)における買取請求権および買取指定者の制度(区分所有法第61条第7項・第8項)について、正確な知識が求められます。
選択肢4は、買取指定者が売買代金の弁済をしない場合における決議賛成者の責任について、「割合に応じて弁済の責めに任じられる(分割債務)」としていますが、正しくは連帯して弁済の責めに任じられます(区分所有法第61条第9項)。したがって、選択肢4が誤りであり正解となります。
各選択肢の解説
1. 正しい
建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合(小規模滅失)、規約に別段の定めがない限り、各区分所有者は滅失した共用部分を単独で復旧することができます。ただし、その復旧工事に着手するまでに、集会において滅失した共用部分を復旧する旨の決議、建物の建替え決議または団地内の建物の一括建替え決議があったときは、単独で復旧することはできません(区分所有法第61条第1項・第3項)。2. 正しい
建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合(大規模滅失)において、復旧の決議があったときは、その決議の日から2週間を経過したときは、決議賛成者以外の区分所有者(決議非賛成者)は、決議賛成者の全部または一部に対し、建物およびその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができます(区分所有法第61条第7項前段)。3. 正しい
大規模滅失において復旧の決議があった場合、その決議の日から2週間以内に、決議賛成者の全員の合意により建物およびその敷地に関する権利を買い取ることができる者(買取指定者)を指定し、その指定された者がその旨を決議非賛成者に対して書面で通知したときは、その通知を受けた決議非賛成者は、買取指定者に対してのみ買取請求をすることができます(区分所有法第61条第8項)。4. 誤り
買取指定者が買取請求に基づく売買の代金に係る債務の全部または一部の弁済をしないときは、決議賛成者(買取指定者となった者を除く)は、連帯してその債務の全部または一部の弁済の責めに任じます(区分所有法第61条第9項)。「決議非賛成者を除いて算定した区分所有法第14条に定める割合に応じて」弁済の責めに任ずる(分割債務となる)わけではありません。なお、裁判所は、第9項本文の債務について履行の請求を受けた決議賛成者の請求により、代金の支払につき相当の期限を許与することができ(同条第13項)、また決議賛成者は、買取指定者に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは責任を免れます(同条第9項ただし書)。