令和元年度 管理業務主任者試験問題 問42
民法・その他の法令借地借家法
Aが所有するマンションの一住戸について、自らを貸主とし、借主Bと、期間を5年とする定期建物賃貸借契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結しようとする場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
解答・解説
正解: 4. 本件契約の目的が、事業用のものであるか否かにかかわらず、公正証書による等書面によりしなければならない。
正解は 4 です。
定期建物賃貸借契約(借地借家法38条)は、契約の目的が事業用であるか居住用であるかにかかわらず、公正証書による等書面によって締結しなければなりません(借地借家法38条1項)。公正証書に限定されているわけではなく、なんらかの書面によらなければなりませんが、事業用か否かを問わず書面によることが必須であるため、選択肢4の記述は正しいです。
各選択肢の解説
選択肢1:誤り
普通建物賃貸借契約においては、一定期間賃料を増額しない旨の特約は有効ですが、減額しない旨の特約は無効とされます(借地借家法32条1項)。これに対し、定期建物賃貸借契約においては、借賃の改定に係る特約がある場合にはその特約が優先されるため、賃料の増減額請求権を排除する特約(増額も減額も請求しない旨の特約)も有効となります(借地借家法38条7項)。したがって、「特約は無効である」とする記述は誤りです。選択肢2:誤り
定期建物賃貸借契約を締結しようとするときは、賃貸人はあらかじめ賃借人に対し、契約の更新がなく期間の満了により終了することについて、契約書とは別個独立の書面を交付して説明しなければなりません(借地借家法38条2項)。判例によれば、契約書自体に更新がない旨が明記されており、借主がその内容を認識していたとしても、別途書面を交付して説明しなければ定期借家契約としての効力は認められません(最判平成24年9月13日)。したがって、「説明をしなくてもよい」とする記述は誤りです。選択肢3:誤り
普通建物賃貸借契約では、期間を1年未満とする賃貸借は期間の定めがない賃貸借とみなされます(借地借家法29条1項)。しかし、定期建物賃貸借契約にはこの規定が適用されないため(借地借家法38条1項後段)、1年未満(例えば6箇月)の契約期間を定めることも有効であり、期間の定めのない契約とはみなされません。選択肢4:正しい
上記の通り、定期建物賃貸借契約は、事業用か居住用かを問わず、公正証書による等書面によって締結しなければなりません(借地借家法38条1項)。