平成29年度 管理業務主任者試験 問44

区分所有者Aが、自己所有のマンションの専有部分についてBと定期建物賃貸借契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説

正解: 1. 本件契約は、公正証書によってしなければならない。

正解は 1 です。

定期建物賃貸借契約は、借地借家法第38条第1項の規定により、「公正証書による等書面によって契約をするときに限り」することができると定められています。したがって、契約書面は公正証書に限られず、通常の書面(私署証書)であっても有効に締結することができます。よって、「公正証書によってしなければならない」とする選択肢1は誤りです。

各選択肢の解説

  • 1:誤り
    上記の通り、定期建物賃貸借契約は、公正証書などの何らかの書面によって締結すればよく、必ずしも公正証書による必要はありません(借地借家法第38条第1項)。なお、事業用定期借地権等の設定契約(同法第23条)では公正証書によることが義務付けられていますが、定期建物賃貸借契約とは要件が異なります。
  • 2:正しい
    普通建物賃貸借契約では、期間を1年未満とする賃貸借は期間の定めがない賃貸借とみなされますが(借地借家法第29条第1項)、定期建物賃貸借契約にはこの規定が適用されないため(同法第38条第1項後段)、1年未満の契約期間を定めることも可能です。
  • 3:正しい
    定期建物賃貸借契約を締結しようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ建物の賃借人に対し、当該建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければなりません(借地借家法第38条第2項)。賃貸人がこの説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは無効となり、普通建物賃貸借契約となります(同条第3項)。
  • 4:正しい
    普通建物賃貸借契約では、一定期間建物の借賃を増額しない旨の特約は有効ですが、減額しない旨の特約は無効とされます(借地借家法第32条第1項)。しかし、定期建物賃貸借契約において、借賃の改定に係る特約がある場合には、借賃増減請求権の規定(第32条)は適用されないため(同法第38条第7項)、相互に賃料の増額も減額も請求しない旨の特約も有効となります。