錯誤(さくご)
表意者(意思表示をした人)の勘違いに基づく意思表示のこと。心の中で思っていたことと実際の表示が食い違う場合と、契約の前提とした事情についての認識が事実に反していた場合とがある。
詳細解説
民法95条1項は錯誤を2種類に分けています。1つは「意思表示に対応する意思を欠く錯誤」(表示の錯誤。1万円と書くつもりで10万円と書いた等)、もう1つは「表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」(基礎事情の錯誤、いわゆる動機の錯誤。近くに駅ができると聞いて土地を買った等)です。後者は意思と表示の食い違いがないため、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていた場合に限り、取消しの対象になります(同条2項)。
2020年の民法改正により、錯誤の効果は「無効」から「取消し」に変更されました。錯誤による取消しが認められるためには、その錯誤が法律行為の目的や取引上の社会通念に照らして重要なものであること(要素の錯誤)が必要です。表意者に重大な過失があった場合は原則として取り消せませんが、相手方が悪意または重過失であった場合などには例外的に取り消すことができます。
錯誤が問われた過去問
- 2025年度(R7) 問3意思表示に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。 ア 表意者が真意でないことを知ってした意思表示は無効であ
- 2020(R2)10月 問6AとBとの間で令和2年7月1日に締結された売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、売買契約締結後、AがBに対し、錯誤による取消し
- 2009年度(H21) 問1民法第95条本文は、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び
- 2005年度(H17) 問2AがBに対し土地の売却の意思表示をしたが、その意思表示は錯誤によるものであった。この場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しい
- 2001年度(H13) 問2Aが, Bに住宅用地を売却した場合の錯誤に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 誤っているものはどれか。
錯誤が登場する過去問
- 2019年度(R1) 問2AがBに甲土地を売却し、Bが所有権移転登記を備えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 2020(R2)12月 問7Aを売主、Bを買主として、令和2年7月1日に甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合における次の記述のうち
- 2018年度(H30) 問 1AがBに甲土地を売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 2016年度(H28) 問 3AがA所有の甲土地をBに売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 2021(R3)12月 問24固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ほか 9 問。