令和6年度 管理業務主任者試験 問2
区分所有法・標準管理規約区分所有法管理者・集会・決議賃貸借(民法)滞納管理費の回収
マンションに関する次の記述のうち、民法、区分所有法及び判例によれば、最も適切なものはどれか。
解答・解説
正解: 3. マンションの敷地上の駐車場を賃借している区分所有者が、管理組合に無断で当該駐車場を外部の第三者に転貸して収入を得ているときは、管理組合は、当該賃貸借契約を解除することができる。
正解は 3 です。
民法第612条により、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借物を第三者に転貸することができず、これに違反して第三者に使用・収益させたときは、賃貸人は契約の解除をすることができます。マンションの専用使用権付駐車場や賃貸駐車場を管理組合に無断で外部の第三者に転貸して収益を得る行為は、当事者間の信頼関係を破壊する背信的行為と認められるため、管理組合は当該駐車場の賃貸借契約を解除することができます。
各選択肢の解説
1:不適切
不動産に関する物権の得喪及び変更は、登記をしなければ第三者に対抗することができません(民法第177条)。管理組合に対して区分所有権取得の届出を提出したとしても、それは管理組合内部の手続にすぎず、登記を備えなければ第三者に区分所有権を対抗することはできません。2:不適切
意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生じます(民法第97条第1項)。なお、集会(総会)の招集通知については、区分所有者が届け出た場所にあてて発すれば通常到達すべき時に到達したものとみなす旨の特則(区分所有法第35条第3項・第4項)がありますが、すでに区分所有権を譲渡した「前区分所有者」に対する滞納管理費の支払催告にはこの特則は適用されず、民法の原則どおり相手方に到達しなければ効力を生じません。3:適切
賃借人が賃貸人(管理組合)に無断で賃借物(駐車場)を第三者に転貸し、第三者に使用・収益させたときは、賃貸人は契約を解除することができます(民法第612条第1項・第2項)。4:不適切
区分所有法第3条によって当然に構成される区分所有者の団体(管理組合)が、それ自体として権利義務の主体となり契約の当事者となるためには、単なる団体であるだけでなく、権利能力なき社団としての実体(団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していること)を備えているか、または管理組合法人(区分所有法第47条)となる必要があります。単に区分所有法第25条に基づく管理者を選任しているだけでは、当然に団体として契約の当事者となることはできません(管理者が選任されている場合は、管理者が区分所有者を代理して契約を行う形になります)。