令和6年度 管理業務主任者試験 問39

マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、区分所有法、民事訴訟法及び破産法によれば、最も適切なものはどれか。

解答・解説

正解: 3. 管理費の滞納者が行方不明の場合であっても、管理組合は、その者に対して、滞納管理費の支払請求についての訴えを提起することができる。

正解は 3 です。

管理費の滞納者が行方不明(所在不明)であっても、民事訴訟法上の公示送達(民事訴訟法第110条以下)の手続を利用することで、訴状の送達を行い、滞納管理費の支払請求訴訟を提起することができます。したがって、選択肢3が最も適切です。

各選択肢の解説

  • 1:不適切
    破産手続において免責許可の決定が確定したとしても、免責の対象となるのは原則として「破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(破産債権)」です。破産手続開始決定の翌日以降に発生する管理費については、区分所有権を有している限り支払義務を免れることはできません(破産法第2条第5項、第148条等参照)。

  • 2:不適切
    共用部分等に関する債権(管理費等の滞納債権)は、債務者たる区分所有者の特定承継人(マンションの住戸を購入した買主など)に対しても行うことができます(区分所有法第8条)。この特定承継人の支払義務は、購入時点で前区分所有者の滞納の事実やその額を知っていたか否か(善意・悪意)を問わず承継されます。

  • 3:適切
    相手方の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合であっても、裁判所の書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示する公示送達(民事訴訟法第110条第1項第1号、第111条)の方法によって訴状を送達し、訴えを提起して訴訟手続を進めることができます。

  • 4:不適切
    時効の利益は、あらかじめ放棄することができないと定められています(民法第146条)。したがって、管理規約において「消滅時効を援用できない」旨を定めていたとしても、それは時効完成前の事前放棄にあたるため無効であり、滞納者は消滅時効の完成後に時効を援用することができます。