令和7年度 管理業務主任者試験 問40
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
解答・解説
正解: 2. 管理組合が、管理費を滞納している区分所有者に対し書面で支払の催告を行う場合には、内容証明郵便でなく普通郵便であっても、時効の完成猶予としての効力が生じる。
正解は 2 です。
民法上の催告による時効の完成猶予(民法第150条第1項)には、法律上特別な方式(内容証明郵便など)は要求されていません。実務上は催告を行った事実や到達日を証明するために内容証明郵便(および配達証明)が広く用いられますが、普通郵便や口頭であっても、相手方に催告が到達した事実さえ証明できれば、催告があった時から6か月間を経過するまでの間は時効の完成が猶予されます。
各選択肢の解説
- 選択肢1:不適切
確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年となります(民法第169条第1項)。したがって、管理費債権が確定判決によって確定した場合の時効期間は「5年」ではなく「10年」となります。 - 選択肢2:適切
上記の通り、催告の方法に法律上の制限はないため、普通郵便であっても時効の完成猶予としての効力が生じます。 - 選択肢3:不適切
区分所有者が死亡して相続が開始した場合、相続人は被相続人の権利義務(滞納管理費の支払義務や時効の進行状況を含む)を包括的に承継します(民法第896条)。相続の開始は時効の更新事由には該当しないため、消滅時効は更新されず、そのまま進行を続けます。 - 選択肢4:不適切
区分所有権が第三者に売却された場合、特定承継人(買主)も滞納管理費の支払義務を承継します(区分所有法第8条)が、前区分所有者の債務も消滅せず両者は不真正連帯債務の関係に立ちます。区分所有権の売却自体は債務の承認等の時効の更新事由には該当しないため、前区分所有者の管理費債権の消滅時効は更新されません。