令和7年度 管理業務主任者試験 問29
区分所有法・標準管理規約標準管理規約管理組合の業務・役員・理事会管理費等・会計
ある住戸の区分所有者として管理組合に届け出られているAの住所宛てに管理費を請求したが、その請求書が届かず所在が不明であった場合において、理事会で理事長から次のアからエまでの順で説明があった。標準管理規約(単棟型)によれば、不適切なものはいくつあるか。
- ア 理事長は、理事会の決議を経ずに、当該住戸の区分所有者の所在等を探索することができます。
- イ 探索の結果、当該住戸の区分所有者がBに変更となっていた場合、組合員の資格は、「区分所有権取得・喪失届出書」を管理組合に提出した時点で取得するため、Bはまだ組合員ではありません。
- ウ 区分所有者の所在の探索に際し当該住戸の登記事項証明書を取得しその費用を支出した場合、理事長は、Bに対し、管理費のほか、登記事項証明書の交付申請費用を請求することができます。
- エ Bによる支払がないため、理事長が管理組合を代表して訴訟を提起するには、理事会の決議が必要です。
解答・解説
正解: 2. 二つ
正解は 2(二つ)です。
標準管理規約(単棟型)に照らし合わせると、アとイの2つが不適切であり、ウとエの2つが適切です。
各記述の解説
ア:不適切
標準管理規約第67条の2第1項により、区分所有者が第31条の規定に違反し必要な届出を行わないことにより、敷地及び共用部分等の管理に支障を及ぼし、又は及ぼすおそれがある場合には、理事長は、理事会の決議を経て、区分所有者の所在等を探索することができます。管理費等の請求先が不明である場合は、この管理に支障を及ぼす場合の例とされています(同条関係コメント①)。「理事会の決議を経ずに」とする記述は不適切です。イ:不適切
標準管理規約第30条により、組合員の資格は、区分所有者となったときに取得し、区分所有者でなくなったときに喪失します。新たに組合員の資格を取得・喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければなりませんが(第31条)、届出書の提出が資格取得の要件ではありません。したがって、Bは区分所有者となった時点で既に組合員であり、「Bはまだ組合員ではありません」とする記述は不適切です。ウ:適切
標準管理規約第67条の2第2項により、理事長は、探索に要した費用について、違約金としての弁護士費用等を加算して、当該区分所有者に請求することができます。探索に要した費用には、登記事項証明書や住民票の写し等の交付申請費用及び郵便代等の実費が含まれます(同条関係コメント②)。エ:適切
標準管理規約第60条第4項により、理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができます。
各選択肢の解説
- 1(一つ):不適切なものはアとイの二つあるため、誤りです。
- 2(二つ):不適切なものはアとイの二つであるため、正解です。
- 3(三つ):ウとエは適切な記述であり、不適切なものは二つであるため、誤りです。
- 4(四つ):ウとエは適切な記述であり、不適切なものは二つであるため、誤りです。