「物件に関する説明事項」の過去問(宅建業法・29問)
1. この分野は何か
宅建業法35条に基づく「重要事項説明」において、買主や借主が「契約するかどうか」を判断するための最も基本的な情報である「物件そのものに関する事項(物件の物理的・法的な状況)」について学ぶ分野です。
建物のローンや契約解除の条件といった「取引条件(お金や契約のこと)」に関する説明事項は別分野で扱いますが、ここでは「その土地や建物自体にどのような特徴や制限があるか」という、売買でも貸借でも共通して重要となる項目を中心に学習します。
2. 学習のポイント
物件に関する説明事項として、以下の共通項目(売買・貸借問わず説明が必要)を確実に覚えます。
- 登記記録に記録された事項:所有権はもちろん、抵当権や地上権など、登記簿に載っているすべての権利関係を説明します(※現在効力がない古い登記などは除く)。
- 法令に基づく制限の概要:都市計画法や建築基準法など、その物件を自由に使えない法律上の制限(建蔽率、用途地域など)を説明します。
- 私道に関する負担:敷地が私道に接している場合など、私道の負担(維持管理費の負担や、自由に建築できない制限など)について説明します。
- 飲用水・電気・ガスの供給並びに排水施設の整備状況:インフラが整っているか、整っていない場合は今後の見通しや特別の負担を説明します。
- 水害ハザードマップ等における所在:水防法に基づくハザードマップにその物件の所在が記載されている場合、その図面を提示して説明します(水害リスクの周知)。
3. 実際の出題のされ方
宅建試験では、重要事項説明の全体から数問が出題され、その中で「物件に関する説明事項」が頻繁に問われます。
出題の定番は、「登記されている権利関係が、契約の履行に支障を及ぼすおそれがない(例:すでに借金を完済している抵当権など)場合であっても、説明しなければならないか」といった問題です(正解:説明が必要。登記記録に記録されている以上、現状をありのまま説明する義務があります)。
また、「法令に基づく制限」については、別分野「法令上の制限」の知識と絡めて、「〇〇法に基づく制限については、重要事項として説明しなければならないか」といった形式で出題されることも多いです。
4. 間違えやすいところ
「私道に関する負担」は建物の貸借だけ説明不要
条文が「当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるとき」と限定しているため(35条1項3号)、私道に関する負担の説明が要らないのは建物の貸借のときだけです。
| 取引 | 私道に関する負担 |
|---|---|
| 土地の売買・交換 | 必要 |
| 土地の貸借 | 必要 |
| 建物の売買・交換 | 必要 |
| 建物の貸借 | 不要 |
借主が建物を借りるだけなら私道の維持管理費を負担する立場にならないため除外されています。一方、同じ貸借でも土地を借りる場合は必要である点が引っかけとして狙われます。「貸借だから不要」と短絡せず、土地か建物かで切り分けてください。
土砂災害警戒区域と造成宅地防災区域
その物件が「土砂災害警戒区域」や「造成宅地防災区域」内にあるときは、売買・貸借を問わず説明が必要です。ハザードマップの説明義務と併せて、防災に関する項目はすべて「売買でも貸借でも必須」と覚えておきましょう。
未完成物件の追加事項
まだ建物が完成していない未完成物件の取引を行う場合は、共通項目に加えて「完成時における形状、構造その他(平面図など)」を説明しなければなりません。
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- 2011年度(H23) 問32 宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
- 2010年度(H22) 問35 宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明を取引主任者が行う場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
- 2009年度(H21) 問33 宅地建物取引業者Aが行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
- 2007年度(H19) 問35 宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項について説明する場合における次の記述のうち、正しいものはどれ…
- 2006年度(H18) 問33 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、次の記述のうち、宅地建物取引業法第35条の規定により重要事項としての説明が…
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