「37条書面」の過去問(宅建業法・57問)
1. この分野は何か
不動産の取引において、契約が成立した後に「言った、言わない」のトラブルを防ぐため、契約内容を記載した書面を当事者双方(売主と買主、または貸主と借主)に交付することが義務付けられています。これを「37条書面(いわゆる契約書)」といいます。2022年5月からは、相手方の承諾を得れば書面の交付に代えて電磁的方法で提供することもできるようになりました(35条書面も同様です)。本分野では、この書面に「誰が記名し、いつ交付するのか」、そして「何を書かなければならないのか」を学びます。
2. 学習のポイント
最大のポイントは、契約「前」に行う35条書面(重要事項説明)との違いを明確に区別することです。
- 内容の「説明」は不要:35条書面は宅建士による内容の「説明」が必須ですが、37条書面は契約内容を証拠として残すものなので、内容の説明は不要です(交付するだけでOK)。
- 宅建士証の提示も不要:説明が不要なので、35条書面のように交付時に必ず宅建士証を提示しなければならないわけではありません。ただし、取引の関係者から請求があれば提示する義務がある点は変わりません(宅建業法22条の4)。また、書面への「宅建士の記名」は35条書面と同様に必要です(専任の宅建士でなくても可)。
- 交付する相手:35条書面は「物件を取得しようとする者(買主や借主)」のみに交付しますが、37条書面は契約の証拠なので「当事者双方(売主と買主の両方)」に交付しなければなりません。
3. 実際の出題のされ方
37条書面は頻出で、35条書面との引っかけ問題が定番です。特に「記載事項」の違いがよく問われます。
- 代金(賃借)の額と支払時期:37条書面(契約書)には必ず記載しますが、35条書面には記載しません(契約前に金額が確定していないことも多いため)。
- 契約の解除に関する事項:35条書面では定めの有無にかかわらず説明・記載が必要(絶対的記載事項)ですが、37条書面では「定めがあるときに」記載する相対的記載事項です。「両方に必要」と丸暗記すると、37条側の扱いを問う選択肢で誤ります。
- 天災で家が壊れた時のルール(危険負担):定めがあれば37条書面に記載しますが、35条書面には記載しません。
4. 間違えやすいところ
相手方が宅建業者(プロ)の場合
相手方が宅建業者であっても、37条書面の交付を省略することはできません(契約の証拠として必ず必要です)。35条書面の「説明」は省略できますが、交付自体はどちらの書面も省略不可です。
記載事項の「絶対的記載事項」と「相対的記載事項」
37条書面には、どんな契約でも絶対に書かなければならない「絶対的記載事項(当事者の氏名、物件を特定する事項、代金の額と支払時期など)」と、当事者間で特別な約束(特約)をした場合のみ書かなければならない「相対的記載事項(違約金に関する定め、危険負担の定めなど)」があります。問題文で「必ず記載しなければならない」と問われた場合、相対的記載事項は「定めがあれば記載する」ものなので×になることがあります。
- 2025年度(R7) 問29 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関す…
- 2025年度(R7) 問33 宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。なお、…
- 2024年度(R6) 問35 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に記載…
- 2024年度(R6) 問40 宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、宅地建物取引業法第37条の規定により当該貸借の契約当事…
- 2024年度(R6) 問44 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関す…
- 2023年度(R5) 問26 宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供すること(以下この問において「3…
- 2023年度(R5) 問27 宅地建物取引業法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査(以下この問において「建物状況調査」という。)に関する次の…
- 2023年度(R5) 問43 宅地建物取引業者Aが媒介により宅地の売買契約を成立させた場合における宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(…
- 2022年度(R4) 問32 宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、誤…
- 2022年度(R4) 問35 次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。…
- 2022年度(R4) 問44 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」…
- 2021(R3)12月 問26 宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する…
- 2021(R3)12月 問40 宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)についての宅地建物取引業者…
- 2021(R3)12月 問42 宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法第37条の規定に…
- 2021(R3)10月 問37 宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明及び同法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37…
- 2021(R3)10月 問41 宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この…
- 2020(R2)12月 問35 宅地建物取引業者Aが行う媒介業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、…
- 2020(R2)12月 問37 宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、同…
- 2020(R2)10月 問33 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関す…
- 2020(R2)10月 問37 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、…
- 2019年度(R1) 問34 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」…
- 2019年度(R1) 問36 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問に…
- 2018年度(H30) 問27 宅地建物取引業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅地建物取引業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒…
- 2018年度(H30) 問28 次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 宅地…
- 2018年度(H30) 問34 宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、宅地建物取引業法第37条の規定により、当該貸借の契約当…
- 2017年度(H29) 問38 宅地建物取引業者Aが、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問…
- 2017年度(H29) 問40 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」…
- 2016年度(H28) 問30 宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び同法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書…
- 2016年度(H28) 問39 宅地建物取引業者が媒介により区分所有建物の貸借の契約を成立させた場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問…
- 2016年度(H28) 問42 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」…
- 2015年度(H27) 問 38 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関す…
- 2014年度(H26) 問40 宅地建物取引業者が行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問…
- 2014年度(H26) 問42 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関す…
- 2013年度(H25) 問31 宅地建物取引業者A社が宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関…
- 2013年度(H25) 問35 宅地建物取引業者が媒介により建物の貸借の契約を成立させた場合、宅地建物取引業法第37条の規定により当該貸借の契約当事者に…
- 2013年度(H25) 問36 宅地建物取引業者A社が行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反し…
- 2012年度(H24) 問31 宅地建物取引業者A社が宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問…
- 2011年度(H23) 問34 宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において、「35条書面」とは、同法第35条の…
- 2010年度(H22) 問 34 次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。…
- 2010年度(H22) 問37 宅地建物取引業者Aが、売主Bと買主Cとの間の宅地の売買について媒介を行う場合において、宅地建物取引業法(以下この問におい…
- 2009年度(H21) 問35 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」…
- 2009年度(H21) 問36 宅地建物取引業者Aが、甲建物の売買の媒介を行う場合において、宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この…
- 2007年度(H19) 問40 宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う場合に交付する「35条書面」又は「37条書面」に関す…
- 2006年度(H18) 問37 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、宅地建物取引業法第37条に規定する書面に必ず記載しなければならないとされて…
- 2005年度(H17) 問39 売主A、買主Bの間の宅地の売買について宅地建物取引業者Cが媒介をした場合の次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問に…
- 2005年度(H17) 問40 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定に基づく契約を証する書面(以下この問において「契約書面…
- 2003年度(H15) 問37 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。) 第35条に規定する重要事項の説明又は法第37条に規定する契約が成立…
- 2002年度(H14) 問 38 次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。…
- 2001年度(H13) 問35 宅地建物取引業者Aは、宅地の売買を媒介し、契約が成立した場合、宅地建物取引業法第37条の規定により、その契約の各当事者に…
- 2001年度(H13) 問39 宅地建物取引業者が, 宅地又は建物の売買の媒介に際して相手方に交付する必要のある書面に関する次の記述のうち, 宅地建物取…
- 2000年度(H12) 問34 宅地建物取引業者が, その媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合に, 宅地建物取引業法第37条の規定に基づく契約内容…
- 1999年度(H11) 問35 宅地建物取引業者が, その媒介により建物の貸借の契約を成立させた場合に, 宅地建物取引業法第37条の規定に基づく契約内容…
- 1998年度(H10) 問43 宅地建物取引業者Aが, 宅地の所有者Bから定期借地権(借地借家法第22条)の設定を受けてその宅地に建物を建築し, Bの承…
- 1996年度(H8) 問38 売主A, 買主Bの間の宅地の売買について宅地建物取引業者Cが媒介をした場合に関する次の記述のうち, 宅地建物取引業法の規…
- 1995年度(H7) 問48 宅地建物取引業者Aがマンションの貸借の媒介を行った場合に関する次の記述のうち, 宅地建物取引業法の規定に違反するものはど…
- 1992年度(H4) 問42 宅地及び建物の売買の媒介における、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面(以下この問において「35…
- 1990年度(H2) 問49 宅地建物取引業者が自ら売主として宅地建物取引業法第37条に規定する書面を交付する場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引…