「営業保証金」の過去問(宅建業法・43問)
1. この分野は何か
宅建業者と取引をして損害を受けたお客さん(一般消費者など)を救済するため、宅建業者は営業を始める前にあらかじめ国(供託所)にまとまったお金を預けておかなければなりません。この預けるお金を「営業保証金」といい、お金を預けることを「供託」といいます。本分野では、いくら供託しなければならないのか、被害者がどのようにお金を取り戻す(還付を受ける)のかといったルールを学びます。
※なお、営業保証金制度は多額の現金が必要になるため、実際には多くの業者が特例である「保証協会」を利用しています。
2. 学習のポイント
- 供託する金額:主たる事務所(本店)は1,000万円、従たる事務所(支店)は1店舗につき500万円を供託しなければなりません。これは現金だけでなく、国債(額面金額の100%評価)や地方債(90%評価)などの有価証券で供託することも可能です。
- 営業開始までの流れ:免許を受ける → 営業保証金を「主たる事務所の最寄りの供託所」に供託する → 免許権者(知事など)に供託した旨を「届出」する → ここで初めて営業を開始できます。
- 還付による不足額の補充:お客さんが損害を受けて営業保証金から還付(支払い)された結果、供託所にあるお金が足りなくなった場合、業者は通知を受けてから「2週間以内」に不足額を補充(供託)しなければなりません。
3. 実際の出題のされ方
営業保証金は、後述の「保証協会」とセットで頻出です。「本店と支店が〇か所ある場合、供託金はいくらか」という単純な計算問題も出ますが、「還付の対象となるのは誰か」という問題がよく出題されます。
営業保証金から還付を受けられる(還付請求権がある)のは、「宅建業に関する取引によって生じた債権」を持つ者です。したがって、不動産を買ったお客さんは還付を受けられますが、宅建業者の事務所を作った「内装業者」や、広告を載せた「広告代理店」の未払い代金などは還付の対象になりません。また、相手方が「宅建業者」である場合も、プロ同士なので還付の対象から外れます。
4. 間違えやすいところ
届出と免許の取消し
免許を受けたのに営業保証金を供託した旨の届出をしない場合、免許権者は「届出をするよう催告」しなければなりません。そして、催告が到達した日から「1ヶ月」経っても届出がない場合、免許権者は「免許を取り消すことができる(任意)」というルールがあります(絶対に取り消さなければならないわけではありません)。
有価証券の評価額
現金に代えて有価証券で供託する場合の評価額は、国債証券は「額面金額の100%」、地方債証券や政府保証債券は「90%」、その他の有価証券は「80%」として計算されます。
取り戻す際の公告義務
宅建業を廃業した場合などには、預けていた営業保証金を取り戻すことができます。ただし、勝手に取り戻すと還付を待っていたお客さんが困るため、原則として「6ヶ月以上」の期間を定めて「権利を申し出るよう公告(官報でお知らせすること)」をしなければなりません。ただし、二重供託(本店移転等のため一時的に2か所に供託している状態)を取り消す場合などは、公告なしで直ちに取り戻すことができます。
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